フリーダムコンボイ

フリーダム・コンボイとは、2022年2月にカナダで発生した新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの義務化と被接種者に対する行動制限に反対する一連の抗議行為と橋封鎖のことである。

カナダに入国するトラック運転手に対してワクチン接種義務が課されたことからトラック運転手がトラックを連ねて首都オタワに集結。ワクチン接種に反対する一般市民もこれを支持した。この抗議では、ワクチン義務化とカナダにおけるワクチンパスポートの廃止を求めた。

 

これに対し、政府は緊急事態法を発動して、トラックを排除。指導者を拘束した。支援者の銀行口座を封鎖するなどした。1914年成立の戦時事態法を改正した緊急事態法がカナダで初めて発動された。


[カナダにおけるワクチン接種義務化―2022年10月]

2021年10月21日カナダ人が国外旅行をするためワクチンパスポートが必要。
2021年10月29日以降、連邦政府の公共サービスや銀行など連邦政府が規制する業種の従業員にワクチン接種の証明が義務付けられた。
2022年1月、これらの機関では「証明がない者、あるいは医学や宗教上の理由による免責がない者は無給休暇となった。


[トラック運転手への措置]

1月15日に発表されたワクチン接種義務の施行により、ワクチン未接種のアメリカの越境トラック運転手はカナダへの入国が拒否された。


[フリーダムコンボイ]


1月22日から、数百台の車両が車列を組み、2022年1月29日に首都オタワに集結し、国会議事堂で集会を開いた。車列には数千人の歩行者抗議団が参加し、参加者の中には国境を封鎖するものもいた。
2月11日、オンタリオ州首相ダグ・フォードは非常事態を宣言した。非常事態が宣言された後も、第二週の週末、土曜日の夕方の時点でダウンタウン中心部の「レッドゾーン」に500台の大型トラックと7000人のデモ隊がいた。
2月11日と12日の第3週の週末、市の中心部である国会議事堂に約4,000人か5,000人のデモ参加者が集まった。
(警察の反撃)
2月11日(デモ15日目)抗議者たちがアメリカ・ミシガン州のデトロイトとカナダ・オンタリオ州のウィンザーを結ぶアンバサダー橋を占拠し続ける中、オンタリオ州の首相であるダグ・フォードはオンタリオ州の非常事態を宣言し、オタワのダウンタウンの状況を「包囲(siege)」と呼んだ。 2月12日までに、警察は橋からトラックを撤去した。(警察の一部は重火器や装甲車を使用)


[非常事態法発動]


2月14日、トルドー首相は1988年に成立して以来初めて「非常事態法」を発動。これは1914年に成立した戦時措置法を改正した法律。(日本で問題になっている緊急事態法)

緊急事態法により、デモ参加者に罰金を科し、投獄する。
道路や高速道路を封鎖するために使用されるトラックをレッカー移動させる。


銀行口座が違法な封鎖や占拠を助長するために使われている疑いがある者の口座を凍結した。